この文章は、ステレオサウンド(235号)に掲載した当店の広告ページです。
今回は、当店の仕入れについて書いてみました。
当店の仕入れシステムについて
今回は、以前も何回か紹介しことがあるが、当店の仕入れシステムについての説明をさせていただきたいと思う。
まずは、私たちのクレド(信条)を!
「私たちは、LPの販売を通じ、作曲家・演奏家・録音スタッフなど、製作にかかわるすべての人々の知性や情熱、さらにはその時代の“息吹”を感じていただけることをミッションとする」
この一枚で、お客様の人生がより豊かなものとなりますように!
ベーレンプラッテは、クラシック輸入中古LPの通信販売専門店である。
しかしながら、店主やスタッフが一年に数十日間もかけて、せっせと海外に出かけ、LPを買い付けているのは、ちょっとおかしいのでは?と、お考えの方もいらっしゃるかもしれない。
(オンラインショップは、もちろん年中無休です!ご安心ください)
それはなぜかというと、「お客様に、優秀な音質・クリーンなコンディションのLPを、リーズナブルな価格で楽しんでいただきたい」という、当店のイデーのためにほかならない。
当店では、国内での下取り、委託販売、書類のやりとりだけ、オークションによる海外からのLPを仕入れることは、ごく一部の例外を除いていっさい行わない。
理由はふたつある。
ヨーロッパでアメリカや日本向けにプレスされたLPには、明らかにヨーロッパで使用されるために製作された同じものより、音質が劣っているものがあること。
もうひとつは、直接、あちらのディーラーなどの顔を実際に見ながらLPを入手したほうが、内容的にも優れたものを、リーズナブルな価格で入手できると私は確信しているからなのだ。
ウィーンのレコードショップにて
たとえば、私は、あるウィーンのショップに最低年3回は訪れているが、行く度に数千枚のLPが追加されている。驚くことに、これは、ここ数年同じペースなのである。これはそのショップの倉庫の画像。
それはさておき、私はまず、ジャケットを見て、定評のある名盤、優秀録音盤、そのほか、お客様にぜひ聞いていただきたいLPを選びだす。そして、次に、一枚一枚をジャケットから取り出し、照明や日光にかざしたりして、傷や大きな反りのないことを確認する。必要があれば、試聴もすることがあるくらいだ。
私は、いわゆる「箱買い」はしない。一枚一枚のLPについて、詳しくチェックし、それらについて、ショップの店主と語らうことによって、彼との信頼関係を築きたいからなのだ。
それによって、次回、私に提供してくれるLPのグレードもさらによくなってきていると思う。
そうして、選び抜いたLPたちは、すぐに日本に向けて送られる。
さて、日本では
日本に到着した大量のLPであるが、さらに、コンディションを詳細にチェックし、必要があれば試聴する。このとき、俄然威力を発揮するのは、バキューム式のクリーニングマシンである。(すべてのLPは、このマシンで洗浄の後、お客様のお手元にお届けしている。)
これにより、長い間ヨーロッパで眠っていたLPは再び目を覚ます、と言っても過言ではない。(新品のLPでも、クリーニングをすると見違えるように音がフレッシュになる!本当の話だ!前号参照)
クリーニングされたLPは、最終チェックの後、新しいインナー(内袋)に入れ、さらには、厚手ポリエチレンの外袋に入れ、厳重に梱包されてお客様のもとに送られる。
また、運送中の事故を極力避けるために、当店で開発した、四隅にクッションのついた特殊な段ボール箱を使ってお客様へ発送することにしている。
たとえ床に落下して、角をぶつけてしまっても、クッションが衝撃を吸収し、中のLPレコードのジャケットを守る優れものである。
このように、当店では、LPのコンディションへ細心の注意をはらい、お客様のもとにレコードをヨーロッパからお届けしている。
この甲斐もあってか、お客様からは、当店のLPのコンディションについては、かなりの高評価を頂いている。(現在、コンディションなどで、お客様から頂くクレームは全販売数の約1~2パーセント位。)
しかしながら、それでも、ノイズや、再生音の不良等の事故が起きることがまれにある。その際には、クレーム内容(LPやジャケットのコンディションについて)如何にかかわらず、商品到着後7日以内であれば、返送料等はすべて当店の負担で、代替品や返金等の対応をさせていただいているのでご安心の上、お気軽にお買い物をお楽しみ頂きたい。
追伸:ゾフィーエンザール
ショルティの「指環」を始めとする名録音で有名なゾフィーエンザールに行ってきた。ウィーン空港から市内への特急列車の停車駅「ミッテ」から歩いて数分の所にそれはある。2001年の火災で全焼となったが今はホテル・フィットネススタジオなどを擁する複合設備として再スタートした。録音スタジオは、今ではイヴェントホールとして活発に使われている。近くには、天才建築家フンデルトヴァッサーの手による住宅も!