ステレオサウンド 第234号の広告記事

ステレオサウンド 第234号の広告記事

先日発売された、ステレオサウンド第234号に掲載した当店の広告記事の全文です。

オーディオファイルのためのLPガイド

金子 学

 

またまたレコードクリーニングのお話

 

もしかしたら、あなたはレコードの「本当の」美しい音を聴いたことがないかも?
ちょっと、ショッキングな言い方かもしれないが、私は時々そう考えることがある。
ここ数年、アナログオーディオの技術は格段に進歩した。そして機器も、入門機から超ハイエンド機まで多種多様な新製品が世に出て、レコードディーラーの私自身としてもうれしさの限りである。
しかしながら、ちょっと残念に思えることがひとつ。
機器のグレードアップのほかにも、アナログレコードはクリーニング次第で飛躍的に再生音(音楽)をより美しく、そして感動的にすることが出来ることは案外忘れがちがちになっていることである。
今回は、その話を(またまたであるが)。
これは、開店以来おびただしい数のLPを洗浄し続けてきた私(テコードショップ店主)の体験談をふまえたお話しである。

 

レコードクリーニングとは?
オーディオファイルならレコードクリーナーの一つくらいはお持ちでしょう。
レコードに接する面が、ベルベットやブラシでできたものです。
これで、レコードをさっと拭けば、盤の表面についたほこりは取れます。
しかしながら、これで「音が良くなった」という体験のある方は、ごくわずかではないか。私も正直って「無い」。
私の言う、「音の良くなる」クリーング法とはいろいろあるが今日は、バキューム式クリーングマシンを使った方法について説明することにしたい。


新品のLPでも洗浄すると音が良くなる!

ちょっと次の画像を見ていただきたい。



これは、新品・未開封のLP数十枚を、開封しバキューム式クリーングマシンで洗浄した後の洗浄液のようすである。左側が洗浄前、右が洗浄後。一目瞭然で無色透明だった洗浄液が白く濁っている。
その白い汚れが何かはまだよく分かっていないが、その再生音に大きな影響があることは試聴してはっきりと分かる。
洗浄前と洗浄後でLPを再生してみてまず分かることは、洗浄後の方がアンプのボリュームを上げたように聴こえてくるのだ!そしてスピーカー前の音場が明るくそして広々と展開してくる。
さらには、音楽が生き生きとして鮮度が増してくる。
これには、誰もがびっくりしてしまう。
ちょっと信じがたい話であるが、一度味わってしまうと、「忘れることが出来ない」体験になってしまう。
そのため、当店では新品・未開封のLPでもご希望であれば、お買い上げのLPを開封して洗浄の上発送している。

 

店主おすすめのマシンは?
私は、ショップを始める前からバキューム式クリーニングマシンを使用してきた。初めてキースモンクのマシン(中古)を手に入れたのは、30年以上も前のことだ。それ以来、いくつものマシンを使ってきたが、ここ数年はこの二つを愛用している。どちらも、とても使いやすく手放せない。その二つの特徴を紹介しよう。どちらも洗浄の能力は抜群で、キズや「ビニール焼け」などの致命的なダメージ以外の汚れ、そして目に見えない新品レコードにも付着している「なにか」も取り去ってくれる。

キースモンクス・プロディジー・ライト
クリーングマシンの草分け的存在、キースモンクス社の最新モデルがこれである。
このモデルは、オリジナルモデルの設計者の息子が担当したとのこと。
レコードをブラシで洗浄後、バキュームは溝を一本一本丁寧になぞりながら行う。そのため、レコード一面あたりの洗浄時間はちょっと長い(3分前後)が、バキューム時のノイズは非常に小さいのが大きなメリット。なおキースモンクス社には、さらに使い良さを向上したマシン(ジャパンリミテッド)もラインナップにある。


詳細はこちらから
https://www.lpshop-b-platte.com/SHOP/138038/353595/list.html

ブラン・ピュール・ネオ
次は、昨年末にリニューアルされた、珍しい国産のマシン。
このマシンの前身は、10年近く前にデビューした「クリーンメイトNEO」である。
私は、このマシンの前身である「クリーンメイト」そしてこの「クリーンメイトNEO」でおそらく数万枚のLPをクリーニングしてきた。非常に使いやすく、またコンパクトで重宝している。
さて、前述のキースモンクスとの比較であるが、大きな違いは「バキューム時間」と「ノイズ」である。
バキューム時間はキースモンクスに比べ、非常に短くて済む(一面あたり1分)が、そのため吸引用のコンプレッサーが大きくなるためノイズがかなり大きくなってしまうことがウィークポイントとなってしまう。(室内掃除用の掃除機を使用したのと同じくらい)

両社ともクリーニングの能力自体は甲乙つけがたいので、各人の使い方やライフスタイルを考慮してセレクトするのが良いと思う。

詳細はこちらから

https://www.lpshop-b-platte.com/SHOP/PFT-VC1.html

なお当店のホームページでは、「LPケア法」と題してレコードクリーニングについて、あれこれお話ししているのでお時間のある時にご覧いただければ幸いである。

(順次更新予定)


ベーレンプラッテ 店主