「ベートーヴェン捏造」見ました!

「ベートーヴェン捏造」見ました!

今話題の映画「ベートーヴェン捏造」を見ました。

内容をざっとお話しましょう。
ベートーヴェンは、ご存知のように難聴と闘いながら数多くの名作を作った、クラシック音楽のジャンルの中でもトップスターです。
私も子供の頃から彼の伝記を読んで感銘を受けた一人です。
彼の伝記の主なベースは、晩年の彼の秘書を務めたシントラーの著作がもとになっています。
実はシントラーは、彼の生涯を美化するために、ベートーヴェンの使った筆談帳を改ざんしたり、彼の名誉にならない部分がある筆談帳を処分しました。
この彼を崇拝するシントラーとベートーヴェンの周辺人物を描いたのが、この「ベートーヴェン捏造」なのです。

この映画の原作はこちらです。

この本も私は最近読みました。

さて、このシントラーの「捏造」説はかなり昔から研究されていました。


私がこの説を知ったのは、もう50年以上くらい前の話でした。
この本を手にしたときです。
びっくりした私は友人にこの本の話をしましたが、誰にも信じてもらえませんでした。



発行は1977年ですから、私が高校時代の話です。
この本の著者武川さんは、ゴダイゴのタケカワユキヒデさんの御父上です。
(有名な音楽学者です)

これを読んだ私は、子供のころ読んだ「偉人伝」と全く逆の人物像にびっくりした反面、
「あくまでも自分に正直」に生きたベートーヴェンの「人間臭い」生き方に感銘さえ抱きました。

クラシック音楽を愛する人はもちろん、彼の音楽を一度でも聴いたことのある人はすべて見てほしい映画だと思います。(ということは、世界中の人全部ですね)

追伸:彼の音楽でもっとも有名な交響曲第5番「運命」の「運命」の表題もここではシントラーの創作と言われています。(多分そうかも?)
私は職業柄、この「世界で最も有名なクラシック音楽」のLPレコードを数えきれないくらい見てきましたが、不思議なことに「運命」と印刷されたジャケットは99%が日本盤なのです。(オーストリア盤で1,2回見たくらいです)これも不思議なお話。