仕入れのために内外で多くのレコードを見ている私であるが、魅力的なレコードを見つけておきながら、残念ながら、仕入れを「断念」することが多々ある。その理由はいくつかあるが、大きく3つに分けられる。
まずは、「キズ」これは仕方がない。
その他には、2つのファクターがある。
この二つについては、内袋の交換で防げる。
今日はそのお話
レコードの二大天敵
1ビニ焼け
昔買ったレコードを内袋から出すときに、内袋の透明なビニールがLPにはりついてなかなか取れなかった経験があったレコードファンは結構多いと思う。
それを何とか剥がしてレコード盤を見て、内袋のしわが転写されていたことがありますか?それが「ビニール焼け」(ビニ焼け)である。
軽症であれば、クリーニングマシンなどで何とか取れなくはないが、重症になるとどうやっても取れず、それを再生するとかなりのノイズが出てしまう。こうなっては、もうどうしようもない。(赤の四角で囲まれた部分)
ビニ焼けはレコード内袋とレコードの化学反応によって起きることがわかっている。
これを防ぐ一番簡単な方法は、レコードを定期的(年に一度以上)に内袋から出し、外気に触れさせることであるが、レコードのコレクションが数百・数千枚以上となってくるとそれは物理的に不可能である。
透明なビニールの内袋以外であれば、ビニ焼けは防げる。
当店では、お買い上げいただいたLPのすべてに半透明の内袋をつけて発送している。
2カビ
高温多湿の日本において、カビは悩みの種である。
実際、私のコレクションもやられたがあった。
大概のカビは、マシンなどを使用したクリーニングで何とかなるが、外見上うまくカビが取れたように見えても、再生してみるとノイズが残ってしまうこともあるので要注意。
これを防ぐには、まずは盤面のクリ-ニングそして内袋である。
通気性のある紙などの素材を使ったものに交換することである。(残念ながら、通常のポリエチレン製では完全にカビを防ぐことは難しい)
以上、レコードの敵についてお話ししたが、この二つの天敵から解放されるために当店が開発したのが「グラシン紙オリジナル内袋」である。
この形式の内袋は、海外では昔から使われていたが、不思議にもわが国ではほとんど見かけることがなかった。
理由はいろいろとあると思うが、大きな原因の一つにコストがあると思う。
私も製造元と話をしたが、どうしても手作業に頼るところが多くてコスト高になってしまうらしい。
そこで、材料のカット方法などを吟味して手作業の部分を極力少なくしたのが現在の形である。
一枚百数十円という価格は、レコード袋としては安くないと言っていいかもしれない。
しかしながら、音楽を一生の友と考えると、貴重なレコードが半永久的に保護できるこの製品は価格以上の満足度かもしれない。
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