私がレコードを必ず「クリーニング」する理由(レコードクリーング:1)

私がレコードを必ず「クリーニング」する理由(レコードクリーング:1)

当店では、お買いいただいたレコードのすべてをマシンで「クリーニング」してから発送している。(「新品」・「未開封品」でもご希望があれば洗浄してから発送している。
その理由は、洗浄していないレコードは「未完成品」と私は思うからである。

少し具体的には、レコードをクリーニングするメリットをあげてみると、以下の3つがある。

1.埃とり
2.針先の保護
3.レコード本来の音を聴くため

も少し具体的に説明しよう


1. 埃とり
これは誰でもレコードをクリーニングするの目的として思いつくだろう。
レコードに付着した、ごみやほこりをクリーナーでレコードから取り去ってしまうことである。昔から(今でも市販されている)ベルベットなどがついたクリーナーで、レコードをさっとふき取れば、表面についた埃はとれてしまう。しかしながら、表面にこびりついた汚れ(針飛びの原因になる)以外は、心配するほどレコード再生には影響はない。
レコード針が再生時に音溝のごみをラッセルしてくれるからである。
ただし、その場合はあとで針先のクリーニングを入念にすることが必要。

2.針先の保護
レコード針が、音溝をトレースするときにはレコードと針先には(一瞬ではあるが)高温(数百度と言われる)が発生するのをご存知だろうか?この時にごく微量ではあるが、溝の中にある不純物が溶け出して針先にこびりついてしまう。 長年使ったカートカートリッジの針を見ると、針先が黒くなにかがこびりついていて、ちょっとやそっとでとれなくなってしまうことがある。(これの取り方は後日お話しする。)
それが、再生音に影響するすることは言うまでもない。
もちろん、針先のクリーニングをこまめにすることも必要ではあるが、そのまえにレコードをきれいにしておくことが必要でる。

3.レコード本来の音を聴くため
これが、一番大事な目的
いまから、約40年前の話。
あるきっかけで、キースモンクス社のレコードクリーニングマシンで、大好きで何度も何度も聴いたレコードを洗浄する機会があった。


それを自宅に持ち帰り聴いてみたら、今まで何度も聴いたレコードであるのに新たな音楽がいっぱい聴こえてきて、はっとしてしまった。

音質がいいとか悪いとか、そんな次元ではない!

大好きな音楽の大好きな演奏が、いままで経験したことがないくらい、私の近くにやって来て、心を揺さぶってくれた。
私は、寝食を忘れてコレクションしたレコードを片っ端からクリーニングした。
どれを試しても、程度の差はあれ、劇的に聴こえてくる音楽は感動的になった。

なぜか、新品のLPでも同様の現象は起きた

もちろん、埃などによるノイズも無くなるのであるが、それい以上に再生音が生き生きとしてきて(本当の)音楽を奏でて私の心に響いてくるようになったような気がした。

たぶん、クリーニング前後で音響特性を計測してもそんなに変化はないと思うが、耳ではクリーニング効果は歴然だ! 

これが、これがレコードに刻まれた「本当の音」だとその時から確信するようになった。(続く)