ウィリー・ボスコフスキー指揮・ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
「世界一有名なクラシック音楽のコンサート」と言ってもよい、元旦恒例のウィーン楽友協会でのライヴ盤。
今ではこの元旦のライヴCDやDVDは、2月になれば全世界で発売されるのが常識となってしまったが、今日聴く1979年のそれはまだ「全世界」的イベントではなく、ウィーンの市民に限られた「お正月のお楽しみ」だった頃の録音である。(この頃のオーストリア国営放送の中継画像を今はネットで楽しむことができる。)
さて、ウィーンフィルのコンサートマスターだったボスコフスキーの指揮は、その後このコンサートの指揮台に立ったマエストロ達とちょっと違って、指揮者の個性という観点では、その後このコンサートを指揮したマエストロ達(マゼール、カラヤン、クライバー、アバド等)と比較するとちょっと分が悪いが、「バンドマスター」のような存在としてウィ-ンフィルのメンバーたちと「音楽する」姿は、聴くものの心を和ましてくれる。
指揮台の彼やウィーンフィルそしてウィーンの聴衆たちのアットホームな反応が、「古き良き時代」を感じさせる演奏である。